英スコットランド首相、就任1年で辞意表明 独立支持の与党に混乱招く
(CNN) 英スコットランドのハムザ・ユーサフ自治政府首席大臣(首相に相当)が29日、辞意を表明した。連立政権の崩壊を受け、就任から1年での屈辱の辞任となった。これによりスコットランド独立を目指す与党スコットランド民族党(SNP)は混乱に陥っている。
ユーサフ氏は先週、連立を組む緑の党との協定を破棄。気候政策を巡る対立に端を発したリスクのある措置だったが、これにより緑の党は政府の信任投票でユーサフ氏に不信任票を投じると警告していた。
SNPは今後、ユーサフ氏に代わる候補者を擁立する予定。同氏自身が29日の記者会見で明らかにした。
ユーサフ氏は昨年3月、SNP党首の座を引き継いだ。当初はスコットランドにおける同党の政権延長と、英国からの独立の是非を問う新たな住民投票に向けた機運を盛り上げることが期待されていた。
左派のSNPは2007年からスコットランド自治政府を率いている。14年に独立を巡る住民投票を主導したが、結果は英国への残留を支持する標が上回った。
ユーサフ氏は新たな住民投票を向こう数年の間に実施すると主張しているが、英国議会はこれに反発。またSNP自体も財務不正に絡む警察の捜査を受けており、一般の支持を失う状況に陥っている。