ラファ避難指示で食料支援NPOが一部休止 病院から患者退院も
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で活動する米食料支援NPO「ワールド・セントラル・キッチン」(WCK)は8日、イスラエル軍からガザ南部ラファに避難指示が出たため、一部地区での活動休止を余儀なくされたとする声明を出した。
イスラエルは6日、ラファ東部での「対テロ精密作戦」を予告し、住民に沿岸部の町マワシの「拡大人道地域」へ即刻避難するよう指示した。
WCKは活動を縮小する一方、避難区域の外側で食事の提供を続行してきたという。
先月初めには車列がイスラエル軍の空爆を受け、スタッフら7人が死亡したとして、一時的に活動を停止していた。
また、国際医療組織「国境なき医師団」(MSF)は8日、ラファの野戦病院で避難の準備を進め、歩行可能な患者らを退院させ始めたことを明らかにした。
ただMSFのチーム責任者によると、避難区域外の代替施設は出産や慢性疾患など通常の診療に追われ、負傷者の流入に対応できる態勢にないという。
同責任者は声明で、ラファへの侵攻は住民らにとって大惨事になると警告した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の上級スタッフは8日、避難指示が出てからの48時間にラファから約5万人が避難したとの見方を示した。避難先は南部の最大都市ハンユニスやマワシの拡大人道地域、中部デイルアルバラだという。
同スタッフはマワシの指定地域について、砂地で上下水道や道路などのインフラはなく、すでに40万人の避難民がいると指摘した。ハンユニスもすでに戦闘で破壊されていると述べ、人道支援物資の搬入が最大の懸念事項だと強調した。