ハマスが「停戦」受け入れ発表 それでも即時休戦に至らない理由
(CNN) イスラム組織ハマスは6日夜、停戦合意に「同意した」と発表し、大勢の人々の不意を突いた。明らかにイスラエルにとっては想定外の展開で、ハマスが同意した内容もすぐには分からなかった。
当初ハマスの発表は、イスラエル側の提案を受け入れた形として提示されていたため、パレスチナ自治区ガザ地区では諸手を挙げて歓迎され、中東地域の指導者は警戒しつつも楽観的に受け止めた。だがイスラエルは留保ともとれる姿勢を示し、ハマスの立ち位置がイスラエルの要求を満たすには「程遠い」と述べた。
イスラエルは賛否両論を呼んでいるガザ地区南部ラファでの軍事作戦を続行。総攻撃を望む、連立政権内の強硬派から激しい圧力がかかる中、6日に空爆を行い、7日午前にはエジプトとの境界のパレスチナ側を制圧した。
同時にイスラエルはエジプト首都カイロに代表団を派遣し、ハマスの見解を判断すると発表した。米中央情報局(CIA)のビル・バーンズ長官も7日午前カイロに到着した。
一体何が起きているのか。
ハマス側の提案について分かっていること
ハマスは6日、ガザ地区の停戦と人質解放に関するエジプトとカタールの提案を受け入れたと発表した。提案には戦闘停止、イスラエル部隊のガザ地区からの完全撤退、人質交換、ガザ地区の再建、イスラエルによるガザ地区封鎖の解除などが盛り込まれている。
停戦交渉に詳しい地元情報筋からCNNが入手した文書によると、ハマス側の提案は最初の42日間で、イスラエルに拘束されている数百人のパレスチナ人と引き換えに33人のイスラエル人の人質を解放するところから始まり、最終的には「持続可能な平穏期間」内にガザ地区の再建を行うという内容だ。
交渉に詳しい外交情報筋が先日CNNに語った話では、持続可能な平穏期間とは「恒久的停戦という用語を使わずに合意にこぎつける手段」だという。
提案は3段階に分かれ、各段階とも期間は42日間。CNNが入手した文書によると、第2段階ではイスラエルが最終的にガザ地区から撤退することが盛り込まれている。
だが米政府関係者は停戦案に「合意した」というハマス側の主張を退け、むしろ変更点を盛り込んだ代替案だと位置づけている。こうした代替案は引き続き交渉する必要があり、合意に前向きな姿勢を公に示すハマスの広報戦術とみなされているという。