人権弁護士アマル・クルーニー氏、ICCの逮捕状請求を支持 ガザ情勢めぐり
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘をめぐり国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルの政治家やイスラム組織ハマスの幹部に対して戦争犯罪や人道に対する犯罪の容疑で逮捕状を請求した件で、人権弁護士のアマル・クルーニー氏が法律専門家の一員として、ICC検察官にイスラエルとハマスの指導者への逮捕状請求を勧告していたことがわかった。
ICC検察官カリム・カーン氏は専門家パネルを招集し、ハマスの指導者3人とネタニヤフ首相らイスラエル高官2人の逮捕状請求を裏付ける証拠と捜査の検証を依頼した。
同パネルは20日、逮捕状に記載された人物が戦争犯罪または人道に対する罪を犯したと「信じるに足る合理的な根拠」があったとする詳細な報告書を公表した。
大量虐殺の被害者の代理人を務めた経歴をもつクルーニー氏は、自ら運営する財団のウェブサイトに掲載した声明文で経緯を説明した。
「4カ月以上前、イスラエルとガザにおける戦争犯罪と人道に対する罪の証拠の検証に手を貸してほしいとICC検察官から依頼があった。私はこれに同意し、依頼を引き受け、国際法専門家の一員として検証にあたった」(声明文)
クルーニー氏によれば、「全会一致」の見解だったという。「戦時下における民間人保護の法律は100年以上前に制定され、紛争の理由にかかわらず、世界のあらゆる国に適用される」
専門家パネルは旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷のテオドール・メロン元裁判長やICCのフルフォード元裁判官など、著名な法律家8人で構成される。今後はICC判事が逮捕状の内容を検証する予定だ。
ICCの逮捕状に対してネタニヤフ首相は「司法のまねごと」だとし、「理屈を捻じ曲げ、偽りの倫理でイスラエルとハマスのやつらを同等に扱う」「不当な判断だ」と述べた。
バイデン米大統領もICCの措置を厳しく批判し、「検察官が何を示唆しようと、イスラエルとハマスは同等ではない」と声明を発表した。