台湾新総統、中国に「威嚇をやめるよう」呼び掛け

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就任式典に出席した頼清徳新総裁(右)と蔡英文氏=20日、台北/Carlos Garcia Rawlins/Reuters

就任式典に出席した頼清徳新総裁(右)と蔡英文氏=20日、台北/Carlos Garcia Rawlins/Reuters

台湾/台北(CNN) 台湾の頼清徳(ライチントー)総統(64)は20日、就任演説で中国政府に対し台湾への威嚇をやめるよう呼びかけた。中国の脅威が高まる中、民主主義を掲げる民進党の政権は史上初の連続3期目に入った。

副総統には前駐米代表の蕭美琴(シアオメイチン)氏が就いた。

両氏と民進党は台湾の主権を擁護しているとして中国政府から公然と嫌われている。中国共産党は、台湾は自国の領土の一部であり、必要であれば武力で台湾を奪取すると宣言している。

頼氏は30分間の就任演説で平和のメッセージを発信し、「台湾民主主義の輝かしい時代が到来した」と宣言した。台湾を「民主主義の世界的な連鎖」の「重要な輪」と表現し、主権を守る決意を繰り返した。

頼氏は「中華民国台湾の未来は2300万人の国民が決める。私たちが決める未来は私たちの国の未来だけでなく、世界の未来でもある」と台湾の正式名称を用いて語った。

頼氏は民進党の蔡英文(ツァイインウェン)前総統を引き継いだ。台湾初の女性総統だった蔡氏は8年の在任期間中に台湾の国際的な地位や認知を高めたが、任期制限により再出馬できなかった。

1月の選挙で有権者は、民進党の再選は対立のリスクを高めるという中国政府の警告を受け流した。民進党は、台湾は事実上の主権国家であり、中国の脅威に対する防衛を強化し、民主主義諸国との関係を深めるべきだという見解を示している。

頼氏は就任演説で、中国に対し「台湾に対する政治的・軍事的威嚇をやめ、台湾海峡とより広い地域の平和と安定を維持するという世界的な責任を台湾と共有し、世界が戦争の恐怖から解放されるようにすること」を求めた。

頼氏は民進党の急進派出身で、かつては台湾独立を公然と支持していた。

その後、頼氏の考えは和らいだが、中国は頼氏が6年前に行った「台湾独立の実務家」としての発言を決して許さなかった。

頼氏は現在、現状維持を支持している。蔡氏の取った立場を踏襲し、「台湾はすでに独立した主権国家」であり、独立を宣言する「計画も必要性もない」と公言している。

頼氏の就任について質問された中国外務省の報道官は「台湾の独立は手詰まりだ。どのような口実や大義を掲げようとも、台湾の独立や分離の推進は失敗する運命にある」と述べた。

頼氏は演説で、台湾が「平和の理想」を追求しているとしても妄想は抱かないようにとも警告した。

「中国が台湾に対する武力行使の断念を拒否している限り、中国の立場を全面的に受け入れ、主権を放棄したとしても、中国の台湾併合への野望が簡単に消えることはないということを台湾に住む私たち全員が理解するべきだ」

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