中国、工業用樹脂めぐり反ダンピング調査 米は対中関税引き上げへ
(CNN) 中国商務省は21日までに、共重合体ポリアセタール樹脂(POMコポリマー)に対する反ダンピング調査を開始したと発表した。これは自動車部品や電子機器など幅広い分野で使用される熱可塑性プラスチックで、米国、欧州連合(EU)、台湾、日本などから輸出されている。
米中関係の雲行きがますます怪しくなる中、米国が先週、関税の引き上げを発表したのを受け、中国側も対抗措置を講じる可能性を示唆していた。
熱可塑性プラスチックは加熱すると成形が可能になり、冷却すると固形化する。一部製品で銅や亜鉛の代替品として使用することが可能だ。
商務省によれば、調査完了までには1年を要するとみられているが、さらに6カ月延長する可能性もあるという。
今回の発表の数日前、米国のバイデン大統領は180億ドル相当の中国製電気自動車(EV)とその他輸入品に対する関税を今後2年間で引き上げると発表した。
今後中国から輸入されるEVの関税は、従来の27.5%から100%と4倍近く引き上げられる予定。中国EVメーカーの価格引き下げを積極的に後押しする中国政府の措置に対抗するのが狙いだ。
ホワイトハウスは関税引き上げについて、「人為的に価格操作された輸入品を世界市場に蔓延(まんえん)させる」といった中国の不当な商慣習から、米国の労働者と企業を守るためだとしている。
これに対し中国は、「あらゆる必要な措置を講じて中国の正当な権利を守る」と表明していた。
中国EVメーカーへの国の援助ついてはEUも調査を行っている。人為的に価格が引き下げられたと判断された場合、7月上旬にも追加関税が発表される見込みだ。