支援物資搬入用のガザ浮桟橋、しけで一部破損 運用再開見通し立たず
(CNN) 米軍がパレスチナ自治区ガザ地区沿岸に設置した仮設の浮桟橋が、このところ続いていたしけで破損したことがわかった。運用再開の見通しは立っておらず、米国が中心になって進めている人道支援物資を海上輸送する取り組みにとって大きな打撃となる。
浮桟橋は船舶で運んだ物資を下ろすのに使われるやや広めの駐車スペースと、物資を車両で運ぶための細い通路から成る。米当局者4人が明らかにしたところによると、26日に駐車スペース部分と通路が離れた。
浮桟橋を再び使えるようにするには、駐車スペースを通路につなげる必要がある。
米中央軍によると、米軍の船舶は25日にイスラエルの海岸や近くの桟橋に避難するなど、現場の海域はこのところしけていた。
米当局者は海況が落ち着いてから浮桟橋の補修作業が始まるとの見方を示した。
建設費3億2000万ドル(約500億円)の浮桟橋の運用は17日に始まったばかりだった。だが、1週間後の24日にしけのために物資の輸送作業は中断し、26日に破損した。
CNNは以前、浮桟橋は波の高さが約1メートル以下など、一定の条件下でしか安全に運用できないと報じていた。
米中央軍が23日に明らかにしたところによると、計820トンの物資が浮桟橋を通じてガザに搬入された。同日、米国際開発局(USAID)の当局者は輸送拠点のキプロスには、浮桟橋行きの物資が「何千トンも」控えていると述べていた。