H5N2型鳥インフル、初めて人の症例報告 メキシコの59歳死亡
(CNN) 世界保健機関(WHO)は5日、H5N2型の鳥インフルエンザウイルスの人への感染が初めて確認されたと発表した。感染はメキシコで確認され、患者は合併症のため死亡した。
米国の乳牛の間で流行しているH5N1型も、今回人への感染が確認されたH5N2型もA型のインフルエンザウイルスで、世界各地で主に鳥類が感染している。H5N1については1996年以来、人の症例が約900報告されており、感染が確認された人のほぼ半数が死亡した。
メキシコでH5N2の感染が確認された患者は59歳で、感染源は不明。メキシコでは家禽(かきん)類のH5N2感染が報告されていたという。
WHOは、現在の知見に基づくと、一般に対するH5N2のリスクは低いと指摘。他のH5系のウイルスは人に感染することが分かっているが、人から人への持続的な感染は確認されていないとした。
メキシコの患者は基礎疾患があり、別の症状のため3週間前から寝たきりの状態だった。4月中旬に発熱、息切れ、下痢、吐き気、衰弱などの症状が表れて同月24日に医療機関を受診し、メキシコ市の国立呼吸器疾患研究所に入院。その日のうちに合併症のため死亡した。
5月8日には検査でH5N2陽性と判定され、別の機関でこの結果が確認された。
病院でこの患者と接触した17人は、いずれもH5N2感染は確認されなかった。患者の自宅の近所でさらに12人の接触者が特定され、うち7人に症状があったが、検査の結果、新型コロナウイルスもインフルエンザも確認されなかった。現在は血液検査を行って、過去の感染による抗体があるかどうかを調べている。
患者が住んでいた隣の州では3月に養鶏場でH5N2の流行が報告されていた。WHOによると、今回確認された人の症例と関係があるかどうかは分かっていない。