メキシコで初の女性大統領誕生へ、2日投開票
(CNN) メキシコで2日に実施された大統領選は、候補者3人のうち有力な女性2候補の対決となり、同国で初の女性大統領が誕生することが確実視されている。
上位の女性2人は現職のロペスオブラドール大統領が率いる左派政党「国家再生運動」(モレナ)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長と、野党連合のソチル・ガルベス上院議員。
3位には最年少の男性候補で中道左派「市民運動(MC)」のホルヘ・アルバレス・マイネス氏が続いている。
登録有権者は国内で9800万人以上、在外有権者が140万人と、メキシコ史上最大規模の選挙。連邦議会選と地方選も同時に実施され、計2万以上のポストに推定7万人が立候補した。
選挙前の暴力も空前の規模で、候補者ら数十人が犯罪組織に殺害された。
与党「国家再生運動」(モレナ)のクラウディア・シェインバウム氏=2日、メキシコ市/Eduardo Verdugo/AP
野党連合のソチル・ガルベス上院議員=2日、メキシコ市/Luis Cortes/Reuters
投票は午前8時に始まり、午後6時に終了。大きなトラブルはなかったが、南西部の町コヨメアパンでは午前中に投票所で起きた暴力のため、投票が中止された。メキシコ市内など一部の投票所では開始時間が遅れ、長い列ができた。
スペインの首都マドリードでは、大使館で受け付けた在外投票の開始が8時間以上遅れたとされ、当局は本国の選管の責任を指摘した。
在外投票者の7割以上は米在住の有権者が占め、ロサンゼルスの領事館前には数千人の列ができた。
大統領選は、任期満了を迎えるロペスオブラドール氏の評価を問う投票とも位置付けられてきた。同氏は社会福祉政策で貧困層の救済に尽力したが、「弾丸ではなく抱擁を」と訴えて麻薬カルテルとの対決を避けた治安政策では殺人事件を減らすことができなかった。
次期大統領は治安、組織犯罪、エネルギー、移民などの課題に直面することになる。