メッカ大巡礼の死者1300人超す 51度超の酷暑、大多数が無許可の巡礼者
(CNN) サウジアラビア政府は23日、今年の聖地メッカ大巡礼(ハッジ)で死亡した巡礼者が1300人を超えたと発表した。熱中症で手当てを受けた巡礼者は膨大な数に上り、死者は5人中4人以上が無許可の巡礼者だった。
サウジアラビア政府が初めて発表した公式集計によると、これまでに確認された死者は1301人に達した。このうち83%は「無許可の」巡礼者だったとされ、直射日光を浴びながら、十分な休憩も取れないまま長距離を歩き続けていた。中には高齢者や慢性疾患の患者もいたという。死者は全員、家族を特定したとしている。
聖地メッカの気温は17日に過去最高の51度超を観測。非公式な巡礼者の多さも問題になっていた。
サウジアラビアはハッジのために180万の許可証を発行し、巡礼者に対して取得を義務付けている。しかし許可証を入手するためには米ドル換算で数千ドルかかることもある。無許可の巡礼者は一般的に、エアコンの効いた団体ツアーバスを使用せず、水や食事も簡単には手に入らないことも多い。
そうした無許可の巡礼者が多数を占めたことも、死者の身元確認に時間がかかった一因だった。
今年のハッジでは巡礼者からインフラ整備や運営上の不備に対する不満の声が出ていた。公式ツアーに参加した巡礼者でさえも、日中の猛暑の中で屋外を歩かなければならなかった。
CNNの取材に応じた巡礼者の中には、意識を失う巡礼者を見たという人や、白い布に覆われた遺体の横を通り過ぎたという人もいた。