酷暑のメッカ大巡礼、500人近くの死亡確認 実際の死者数は倍以上か
(CNN) イスラム教の聖地であるサウジアラビア・メッカへの大巡礼(ハッジ)で今年、500人近くの死亡が公式に確認された。酷暑のなかメッカへ向かっていたエジプト人巡礼者600人が死亡したとの情報も浮上しており、実際の死者数は倍以上に上る可能性がある。
各国の当局によると、少なくともマレーシア人14人、インドネシア人165人、ヨルダン人68人、パキスタン人35人、チュニジア人35人、イラン人11人、インド人98人が亡くなった。ヨルダン外務省によると、ヨルダン人22人が病院に搬送され、16人が今も行方不明になっているという。
イランの半国営タスニム通信によると、イラン赤新月社は19日、熱中症などのためイラン人数十人が病院に搬送されたことを明らかにした。
CNNの集計では、これにより最新の正式な死者数は少なくとも460人に上った。
サウジとエジプトは公式の数字をまだ発表していないことから、死者数は今後大幅に増えると予想されている。また、政府が認識している巡礼者は各国の割り当ての中でメッカへ向かった登録済みの巡礼者のみで、未登録の巡礼者にさらなる死者が出ている恐れもある。
巡礼者は今年、最大49度に達する酷暑の中でハッジの旅に出た。
エジプト大統領府によると、マドブーリー首相率いる危機対策班が「死者の家族の支援に当たる」という。
エジプト内閣の20日の声明によると、エジプト人の公式の死者数は28人。ただ、ロイター通信などのメディアでは、500~600人が巡礼の途上で命を落としたと報じられている。
ハッジは世界最大規模の宗教的な集まりで、サウジ統計当局によると、今年のハッジには180万人あまりが参加している。
巡礼者が亡くなるケースは珍しくなく、昨年は200人以上が死亡したが、今年のハッジは例年にない猛暑の中で行われている。
ハッジの季節はイスラム暦に応じて毎年変更され、今年は6月に当たる。6月はサウジで最も暑い月のひとつ。