イスラエル軍、軍用車両に負傷したパレスチナ人を拘束　ヨルダン川西岸

（ＣＮＮ） パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で２２日、イスラエル軍が軍事作戦を実行中、軍用車両のボンネットに負傷したパレスチナ人の男性が拘束されているのが目撃された。

動画には、ジェニンを走行する車両のボンネットに横たわる男性が捉えられている。男性は、パレスチナ赤新月社（ＰＲＣＳ）の救急車の前を通り過ぎる際、ボンネットに倒れこんだ様子だった。

ＰＲＣＳによれば、イスラエル軍は、ＰＲＣＳのスタッフが負傷した男性に応急手当てを施すのを妨害したという。

ＰＲＣＳは、イスラエル軍が負傷者を車両の前に載せて拘束し、その後、スタッフが負傷者を病院へ搬送することを許可したと述べた。

負傷者の状態や身元は不明。

イスラエル軍は２２日、今回の事案について、「命令と標準的な作戦手順」に違反しており、調査が開始されると明らかにした。

イスラエル軍によれば、今回の事案は２２日にジェニン西部で容疑者を拘束するための対テロ作戦のさなかに発生した。この男性は銃撃戦の末に負傷して拘束された容疑者だという。

イスラエル軍は、男性がその後、医療機関に搬送されて治療を受けたと述べた。

昨年１０月７日のイスラム組織ハマスによる攻撃を受け、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でハマスとの戦闘を開始して以降、ヨルダン川西岸でも暴力が激化している。

国連人道問題調整事務所（ＯＣＨＡ）によれば、昨年１０月７日以降、子ども１００人余りを含む５００人以上のパレスチナ人がヨルダン川西岸で死亡した。こうした死者のうち約４分の３はイスラエル軍による軍事作戦の実行中に死亡した。