ミャンマー軍政、兵器購入で大きく頼るのはタイの銀行 国連
シンガポールに拠点を置く銀行は22年、軍政による金融機関網を通じての兵器入手などの70%以上に関与していた。この比率は23年までに20%を下回ったという。
軍政が代わりの金融機関を確保するため目をつけたのが隣国タイだった。報告書によると、22年から23年にかけタイに本拠を持つ企業などを経由しての兵器や関連物資の輸出は倍以上となり、金額にして6000万ドルから昨年は約1億3000万ドルに急激に伸びていた。
報告書は、タイの金融機関の利用への傾斜で最も「重要な役割」を果たしたのはサイアム商業銀行と明かした。同銀と軍政に関係する取引は22年には500万ドルをわずかに超える水準だったが、これが23年までに1億ドル以上に急拡大したという。
同銀は声明で、タイとミャンマーの間の「国際取引サービス」に関与しているが、主たる目的はミャンマー向けの消費者向け製品とサービスに関わる決済と強調。全ての反資金洗浄(マネーロンダリング)法は順守しており、内部調査でミャンマーとの事業契約に武器は絡んでいないことが判明したとも結論づけた。
タイ外務省の報道担当者は今回の国連の報告書に目を通し、事実関係などを調べているとした。タイの銀行などは他の主要な金融業の拠点と同様、銀行業務の正当な手順を守っていると弁護しながら、「(報告書を受けた)次の対応を決める前に事実確認が最初に必要」と続けた。