「町が丸ごと燃えている」、武装勢力の放火で家追われるロヒンギャ ミャンマー内戦の前線地域

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火災で熱せられた痕が残るミャンマー西部ブティダウンの5月20日撮影の衛星画像/Planet Labs, PBC

火災で熱せられた痕が残るミャンマー西部ブティダウンの5月20日撮影の衛星画像/Planet Labs, PBC

(CNN) ミャンマー西部で国軍と敵対する少数民族の武装勢力「アラカン軍(AA)」がバングラデシュとの国境近くの町に火を放ち、先週末以降最大で20万人が家を追われる事態となっている。これらの住民は国内で長く迫害されてきたイスラム系少数民族のロヒンギャで、火の手を逃れ、水田に隠れて何日も過ごすことを余儀なくされている。

2021年2月にクーデターで政権を握って以降、国軍は大規模な内戦を戦っている。相手は複数の少数民族の武装組織や抵抗勢力で、ミャンマー全土で戦闘が繰り広げられている。

軍事政権と戦うAAは西部ラカイン州で、ロヒンギャが多く暮らすバングラデシュ国境近くの町ブティダウンを制圧したと宣言。活動家や住民の親族の報告によると、AAの兵士らは町内のロヒンギャの家屋に火を放ち、略奪を行っているという。家を失った住民らは電話を没収され、国外の家族と連絡を取ろうとすれば殺すと脅されているという。

同州では軍事政権により電話やインターネットによる通信が停止されており、外部から現地住民に連絡を取ることはほぼ不可能。ジャーナリストや国際社会の監視団体も現地で何が起きているのかを正確に把握することはほとんどできなくなっている。

ロヒンギャの人権団体などによれば、AAによる放火を受けて約20万人が自宅からの避難を余儀なくされ、女性や子どもを含む多くの人々は水田に身を潜めて数夜を過ごしている。食料や医薬品もない状況で、未確認ながら負傷者がいるとの報告も寄せられているという。

CNNはこうした報告を独自に検証できていないが、衛星画像によってブティダウンの中心部が18日午前に炎に包まれ、週末にかけて燃え続けたことが分かる。

米航空宇宙局(NASA)がまとめた遠隔調査データから、火災は未明に拡大したとみられる。米宇宙テクノロジー企業マクサーが収集し、CNNが入手した衛星画像には、同日のブティダウンでの大規模な破壊の様子が捉えられている。

ブティダウンの出身でロヒンギャ支援団体の共同創設者を務める活動家は「町が丸ごと燃えている」「無事な家屋はほとんど残っていない。ほんの数軒だけだ」と語った。

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