ミャンマー軍政、兵器購入で大きく頼るのはタイの銀行 国連

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ミャンマー国軍トップのミンアウンフライン最高司令官=3月27日、ミャンマー首都ネピドー/Stringer/AFP/Getty Images/File

ミャンマー国軍トップのミンアウンフライン最高司令官=3月27日、ミャンマー首都ネピドー/Stringer/AFP/Getty Images/File

香港/バンコク(CNN) 反政府武装勢力との交戦が続くミャンマー軍政の活動資金の出所として国際的な銀行が大きな役割を果たしているとする新たな国連報告書がこのほど公表された。

ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者のトーマス・アンドリュース氏がまとめた報告書で、ミャンマー軍政による兵器や武装ヘリコプターの部品など含む装備品調達でタイの銀行が主導的な役目を担っているとも主張した。

ミャンマー内乱は約3年ともなり、犠牲となった市民は5000人以上ともされる。軍は2021年2月のクーデターで実権を掌握したが、軍事闘争に転じた民主派勢力も含めた少数民族の武装勢力との戦いが強まっている。軍政はここ数カ月間、兵力や支配地の損失も被っている。

同報告者は、軍政は国民の広範な抵抗や貧困層が増える経済危機を抱える一方で、市民や民間インフラへの空爆などを加速していると指摘。居場所などを失った住民は300万人以上に達したとした。これらの空爆などは過去半年で「5倍」の規模に広がったとし、軍政への抵抗を封殺する試みとも形容した。

この圧迫には海外で手に入れた兵器が用いられるとし、「国際銀行によるサービスが支えている」と断じた。

報告書によると、ミャンマー国営銀行などを通じて軍政との取引にかかわった銀行は過去1年で7カ国の16行と判明。これには兵器入手、軍民両用の原材料が含まれた。金額は23年4月から今年3月にかけて2億5300万ドルと見積もった。

その上で外銀が介入した兵器輸入などは23年と比べ三分の一激減したとも報告。シンガポールからの輸出が急減したことが要因としている。「朗報は軍政の孤立が深まっていること。悪しきニュースは軍政は制裁網などの迂回(うかい)を狙い、利用する金融機関を変えたりするなど抜け道につけ込んでいることだ」と述べた。

ミャンマーによる兵器・軍事物資の調達先として3番目に多かったのがシンガポールに登録する企業などとの取引だった。しかし、政府の調査が入った効果で、ミャンマーへのこれら兵器などの流入は23年比で約90%落ち込んだ。

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