ヒズボラ、イスラエル軍にミサイル大規模攻撃 司令官殺害の報復
(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは4日、前日の上級司令官殺害の報復として200を超えるミサイルでイスラエル軍基地などを攻撃したと明らかにした。
イスラエル軍は3日、ヒズボラのアジズ部隊の司令官モハメド・ナセル氏を殺害したと発表した。ナセル氏は昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲の前後にテロ攻撃を指揮したと主張している。
同軍はヒズボラの別の司令官を先月殺害しているが、この司令官とナセル氏はレバノン南部に展開する部隊の中で最高位だったという。先月の司令官殺害後には一連の報復攻撃があった。
ナセル氏の殺害を受けて、ヒズボラは4日、イスラエル側に向けて200発を超えるさまざまな種類のミサイルによる攻撃を行ったと明らかにした。
イスラエル軍はこれらのミサイルの一部やドローン(無人機)を迎撃し、落下した破片による火災が発生した。
報復攻撃を受けてイスラエル軍は戦闘機でヒズボラの軍事施設と「テロリストのインフラ」3カ所を攻撃したという。ヒズボラは戦闘員1人が死亡したと発表した。
昨年10月以降、イスラエルと、イランを後ろ盾とするヒズボラは国境付近でほぼ毎日交戦している。だが次第に激化しており、全面戦争へと発展するのではとの懸念が強まっている。
ヒズボラは数万人の戦闘員と膨大なミサイルを抱えており、中東で最も強力な民兵組織だ。イスラエルとの交戦はパレスチナ自治区ガザ地区のパレスチナ人を支援するため、としている。
ロイター通信の集計によると、この交戦ではこれまでにヒズボラの戦闘員300人超と民間人約90人が死亡。一方、イスラエル側では兵士18人と民間人10人が犠牲になっている。