ペルーで米登山者の遺体発見　消息不明から２２年

（ＣＮＮ） 南米ペルーのアンデス山脈で２２年前、登山中に消息を絶った米国人男性の遺体が発見された。先月末に米国人の兄弟が見つけ、身元を突き止めた。

米ネバダ州ラスベガス在住のライアン・クーパーさんと兄弟のウェズリー・ウォレンさんは先月２７日、ペルーの最高峰ワスカラン（標高約６７００メートル）の登頂に失敗して引き返す途中、標高約５２３０メートルの山腹で遺体を見つけた。

ジャケットや登山靴、ヘルメット、結婚指輪がすべてきれいに残っていた。身に着けたバッグの中には身分証明書とカメラ、パスポート、財布、眼鏡が入っていた。米国人だと分かり、２人は遺族を捜そうと決意した。

クーパーさんから連絡を受けた妻がインターネットで調べた結果、ビル・スタンフルさん（享年５８）と判明。クーパーさんが息子のジョセフさんらに電話で連絡した。

娘のジェニファーさんによると、スタンフルさんと登山仲間の２人は、２００２年６月２４日にワスカランで雪崩に巻き込まれて死亡。スタンフルさんともう一人の遺体は見つかっていなかった。

妻ジャネットさんは「夫は登山が大好きで、山頂では神様の一番近くに来たように感じると話していた」と振り返った。

スタンフルさんの遺体はペルーの山岳救助隊と国家警察が５日に収容した。警察は９日、Ｘ（旧ツイッター）への投稿で、検視のためにふもとの町ユンガイの安置所へ運ばれたと報告した。

ジョセフさんによると、遺体は今後、首都リマの葬儀場で荼毘（だび）に付され、遺灰が米国の遺族のもとへ送られる。

クーパーさんは、遺体を覆っていたとみられる氷が完全に融けていたと述べ、温暖化が影響している可能性を指摘した。