広島平和式典にイスラエル招待、「二重基準」の批判も ロシアとベラルーシは招かず
ガザ地区ではイスラエルの攻撃によって数万人が命を落とし、200万人あまりのほぼ全人口が避難を強いられて、食料や避難所、水、医療物資が不足する窮状に追い込まれている。
イスラエル招待に反対している広島県原爆被害者団体協議会の熊田哲治事務局長は、もしイスラエルがロシアやベラルーシのようにジェノサイド(集団殺害)のような罪を犯しているとすれば、なぜ招待するのかと問いかけ、同団体の申し入れが考慮されなかったのは非常に残念だと訴えた。同団体は6月に広島市に対し、イスラエルを招待しないよう書面で申し入れていた。
「広島パレスチナともしび連帯共同体」は5月、イスラエル代表を招待しないよう広島市に要請するオンライン署名活動を開始。現在のイスラエルに対する世界の抗議運動は、規模も頻度も明らかにロシアに対する抗議運動を上回ると訴えた。これまでに寄せられた署名は3万を超えている。
イスラエルはガザ攻撃について、パレスチナ人ではなくイスラム組織ハマスに対する戦争だと強調しているが、破壊の惨状や民間人の死亡をめぐる憤りは世界的に強まっている。
しかしイスラエルの出席を支持する声もある。広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は、広島は国際平和都市として、戦争をしていようがいまいが全ての国を招待する必要があると訴えた。
一方、駐日パレスチナ常駐総代表部は、同代表部が広島の式典に招かれていないことについて「ダブルスタンダード」だとXへの投稿で訴えた。
広島市は、日本に大使館のある国にのみ招待状を送っていると述べ、パレスチナ代表を式典に招いたことはないと話している。