女性への暴力が「伝染病並み」に、毎年12人に1人被害 英警察

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英ロンドン市内の官庁街ホワイトホールを警備する警察官/Mike Kemp/In Pictures/Getty Images/File via CNN Newsource

英ロンドン市内の官庁街ホワイトホールを警備する警察官/Mike Kemp/In Pictures/Getty Images/File via CNN Newsource

(CNN) 英国の警察当局はイングランドやウェールズでの女性や少女への暴力行為の広がりに触れ、「伝染病並み」の規模となっているとの危機感をこのほど示した。

テロ行為や組織犯罪対策と同様の対策を講じるべき問題にすべきと警官に促した。報告書は、これら暴力の被害者となる女性は毎年、少なくとも12人に1人となっていると推定。人数にして約200万人に達する。

加害者については、成人20人のうちの少なくとも1人が女性らに暴力を振るっている比率になるとした。

レイプ、家庭内暴力、ストーカー行為や嫌がらせは過去5年で37%増加。内務省はこれら暴力の激増を公共治安に対する国家的な危機と位置づけた。

今回のデータは英国内の警察組織の指導者で構成される団体による初めての全国的な分析で得られた。英国のスターマー新首相は先に、新政権はこれら暴力を半減させる対策を打ち出すと発表してもいた。

今回の報告書によると、両地域で起きたこれら暴力は昨年3月までの1年間でレイプや深刻な性的暴行は10万件以上に上った。被害を隠す事例も多いとし実際の件数はより多いともみている。

被害者の約200万人のうち約140万人は家庭内暴力に直面していた。昨年3月までの1年間で起きた殺人事件6件のうちの1件が家庭内暴力に起因していた。

報告があったレイプや深刻な性的な暴行の加害者の年齢については平均で37歳だったことが判明。ただ、容疑者の年齢の幅は10歳から100歳までに及んだとした。

子どもに対する性的虐待や性的搾取は2013~22年にかけて435%増を記録。この種の犯罪のうちの93%は性的交渉を強いる行為などだった。被害者の平均年齢は13歳で、加害者は15歳だったとした。

報告書は女性や少女への犯罪行為は増えているものの加害者が処罰されない事例がままあるとも指摘。昨年3月の時点で警察が扱った家庭内虐待の事例のうちわずか4.4%が容疑者の有罪判決につながったとした。背景要因としては刑務所の収容能力の問題や裁判所が抱えている案件の多さに言及した。

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