UNRWA職員9人、イスラエルへの奇襲に関与した「可能性」 国連調査
(CNN) 昨年10月7日に起きたイスラエルへの奇襲攻撃を巡り、国連は5日、パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員9人が関与した「可能性がある」との調査結果を発表した。当該の職員は既に解職されたとしている。
UNRWAはパレスチナ自治区ガザ地区に職員1万4000人を抱える。
昨年の奇襲攻撃では、イスラエル側に1200人の死者が出た。一部のUNRWA職員が攻撃に加わっていたとするイスラエルからの非難を受け、国連は今年1月に調査を立ち上げていた。
当該の職員に対して国連の調査員が直接聞き取りを行うことは出来なかったが、一部の職員は書面での質問に回答した。
関与の可能性があるとされた9人について、一部は1月に解雇された。その他の職員は今春、新たな事実の証明を受けて解雇された。UNRWAの報道官がCNNに明らかにした。
国連の内部監査部(OIOS)は、イスラエルが奇襲に参加したと主張する計19人の職員を調査。関与の可能性があるとした9人以外について、10人中9人は解職するだけの証拠が「不十分」だったとしつつ、「いずれ適切な措置が講じられる見通し」だとした。最後の1人は攻撃への関与を裏付ける証拠は一切得られなかったとした。
イスラエル国防軍(IDF)の報道官はX(旧ツイッター)への投稿で、UNRWAの職員9人がホロコースト(ユダヤ人大虐殺)以来最も大規模なユダヤ人の殺戮(さつりく)に関与した可能性があると指摘。UNRWAにとって打撃であり、今こそ世界が同組織の本当の顔を目の当たりにする時だと述べた。
UNRWAは1948年の第1次中東戦争後、国連によって創設された。この戦争ではイスラエルが独立国の地位を固める一方、70万人を超えるパレスチナ人が家を追われ、難民となる事態を引き起こした。
UNRWAのラザリーニ事務局長は5日に声明を出し、同組織の優先事項は引き続きガザと地域一帯のパレスチナ人難民に対する救命並びに重要なサービスの提供にあると強調した。