ベイルート攻撃への報復、国境での小競り合いでは済まないとヒズボラ指導者 イスラエルへの宣戦はせず
(CNN) レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は1日、首都ベイルート南郊へのイスラエルによる攻撃について、報復を行うと約束した。ただ現時点でイスラエルと戦争状態に入るとは明言しなかった。
今週イスラエルが行った攻撃では、ヒズボラの司令官フアド・シュクル氏が殺害された。またレバノン保健省によると子ども2人を含む民間人5人も死亡した。
ナスララ師はシュクル氏の葬儀の中で演説し、「これはただの暗殺作戦ではなく襲撃だった」と指摘。報復はイスラエルとの国境を挟んだ日々の小規模戦闘の範囲を超えるだろうと述べた。具体的な報復の内容は今後「検討する」とも付け加えた。
「敵と、敵を支援する者たちは、我々の手による不可避の報復を待つほかない」(ナスララ師)
イスラエルに対する宣戦布告には至らなかったナスララ師だが、ベイルート並びにイラン首都のテヘランでイスラエルは「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたとの見解を表明した。テヘランでは現地に滞在中だったイスラム組織ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長が暗殺されている。
イランとハマスはイスラエルがハニヤ氏を暗殺したと非難しているが、イスラエルはこの件について確認も否定もしていない。
ナスララ師は「彼ら(イスラエル)は我々全員に喧嘩(けんか)を吹っかけた」「支えとなる全ての戦線で、我々は今や新たな段階に突入した。過去の段階とは違う」と強調した。
師が言及したのはイランを後ろ盾とする複数の武装勢力で、そのネットワークはレバノン、シリア、イラク、イエメンの各国に広がっている。