イスラエルがガザ空爆で記者殺害、アルジャジーラ報道 命がけの取材続ける現地記者

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殺害されたアルジャジーラ特派員の2人/Obtained by CNN

殺害されたアルジャジーラ特派員の2人/Obtained by CNN

(CNN) 中東のテレビ局アルジャジーラは、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区北部のシャティ難民キャンプで行った7月31日の空爆で、特派員2人が殺害されたと伝えた。

死亡したのはガザ地区在住の記者イスマイル・ゴウルさん(27)とカメラマンのラミ・リフィさん(27)。シャティ避難キャンプで車の中にいたところを空爆に遭った。2人はイスラム組織ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏の自宅に近い場所から生中継を続けていた。ハニヤ氏は30日にイランの首都テヘランで暗殺された。

同僚によると、死亡した当時、ゴウルさんは「PRESS(報道)」の文字が入ったベストを着けていた。ガザ中部に避難した妻と2歳の娘ゼイナちゃんとは、10カ月も会っていなかった。ゴウルさんは今年6月、「ゼイナは走ったり話したり質問したりするようになった。娘は私に会うことなく成長している」とX(旧ツイッター)に書き込んでいた。

アルジャジーラは、同局の記者がイスラエル軍による暗殺の標的にされたと主張している。

イスラエルのガザ攻撃が始まってから9カ月以上の間、パレスチナ人記者たちは、戦争の影で苦しむ住民たちの目となり、耳となってきた。イスラエルもガザと国境を接するエジプトもこれまでのところ、安全を保証できないとして海外の記者がガザ地区を自由に取材することを認めていない。

重大な身の危険を伴う取材を通じた現地の記者たちの報道や写真や映像は、世界に現実を見せつけてきた。イスラエルのガザ攻撃で死亡したジャーナリストは1992年以来で最も多い。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、昨年10月から7月31日までに少なくとも111人のジャーナリストや報道関係者が死亡。うち109人がパレスチナ人だった。

この日ガザでアルジャジーラの取材陣と一緒にいたという記者は31日にCNNの取材に応じ、ミサイルが着弾した車からは300メートルほど離れた場所にいたと語った。現場からの映像には、上空から狙われたと思われる焼け焦げたセダンの残骸が映っている。

シャティ難民キャンプに住むアイマン・アベド記者は、「撮影場所に近い自宅へ戻ろうとしていたところ、1発のミサイルが、ドローン(無人機)からイスマイルとラミを標的とした」「上空でうなるドローンの音以外、何も異常はなかった」と証言した。

ガザの保健省によると、イスラエルのガザ攻撃でこれまでに3万9000人以上のパレスチナ人が殺害され、9万人が負傷している。

ジャーナリスト保護委員会は、アルジャジーラの記者殺害に関してイスラエルに説明を要求。2人は直接的な攻撃を受けたようだと述べ、「ジャーナリストは民間人であり、標的とすべきではない」と強調した。

ジャーナリストでつくる世界最大の労働組合、国際ジャーナリスト連盟も今回の攻撃を批判。「我々はこの大虐殺を非難する言葉を使い果たしつつある。イスラエルはジャーナリストの殺害を止めなければならない」とXに投稿した。

31日の攻撃後の様子をとらえたCNNの映像には、ガザ市内の病院前に大勢の人が集まり、ゴウルさんらの死を嘆く様子が映っている。アルジャジーラの同僚記者たちは、ゴウルさんの血まみれのジャケットを手に、泣き崩れていた。

同僚のアナス・シャリフさんは声を詰まらせながら、「我々は君に続いてミッションを完遂する」とゴウルさんに誓った。

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