ウクライナの越境攻撃、目的は「緩衝地帯」の設置 ゼレンスキー氏が説明
ドネツク州で使用済みの弾薬の周辺を巡回するウクライナ兵/Oleksandr Klymenko/Reuters via CNN Newsource
ウクライナの監視グループ「ディープステート」によれば、ウクライナ軍はクルスク州でさらに前進を続けている。同グループが提供し、CNNが位置を特定した画像によれば、ウクライナ軍の戦車はクルスク州スジャの北約20キロに位置するオルゴフカの集落にいる。
ウクライナ軍当局者によれば、ウクライナ軍は先週、スジャを支配下に置き、同地に司令部を設置した。
ロシアはクルスク州の領土を失ったことに対処すべく、占領下のウクライナの前線から数千人の兵士を移転させたとみられる。
戦闘によって避難した住民に対しては戻らないよう警告が出されている。
クルスク州コレネフスキー地区の幹部は18日、「我々の地区の運営状況は依然として複雑だ。一部の住民は帰還をあきらめず、そのため軍の活動が妨げられている」と述べ、もといた場所に戻ることは地元住民には不可能であり、恐ろしい悲劇を引き起こす可能性もあると警告した。同幹部は、当局も住民に対して安全な時期に帰還するよう指示していると言い添えた。
ロシア軍はウクライナ東部の要衝に接近
ウクライナ軍がクルスク州で進攻する一方、ロシア軍もウクライナ東部で前進を続けている。
ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州のポクロウシクに接近している。ポクロウシクは、もう一つの軍事的に重要な町コンスタンチノフカへのアクセスが容易なことから、ウクライナ軍の重要拠点となっている。
ポクロウシク軍政当局トップのセルヒ・ドブリアク氏は18日、ロシア軍が町の近郊の最大11キロにまで接近していると明らかにした。ドブリアク氏によれば、ドネツク州のすべての町に戦闘部隊が割り当てられており、防衛計画が策定されている。
ゼレンスキー氏は18日、ドネツク州の前線で数十の攻撃が行われるなか、ウクライナ軍は陣地を保持するために全力を尽くしていると述べた。
ロシア軍が接近していることから、ポクロウシクの民間人の避難が早められている。過去1週間だけでも約1800人の住民が避難した。これまでの避難者の数はひと月あたり450~500人だった。