ISISに関係する受刑者が刑務官4人を殺害 ロシアの流刑地
(CNN) ロシアで最も厳重な水準の警備態勢を備える刑務所で複数の受刑者が刑務官4人を人質に取り、殺害したことが24日までに分かった。受刑者らは過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)との関係を自称していた。ロシアの国営メディアが報じた。
人質を取ったとみられる受刑者らは、ロシアの特殊部隊が全員「排除」した。この作戦で一部の人質は解放された。現場は同国南西部ボルゴグラード州スロビキノにある流刑地。
ロシア国家親衛隊はSNSのテレグラムに、特殊部隊に所属する狙撃手が人質を取った受刑者4人を正確な4発の銃撃で無力化したと書き込んだ。人質は解放されたという。
ソーシャルメディアで拡散している動画には、制服を着た刑務所職員3人が大量の血を流して倒れている様子が映っている。1人は喉(のど)をかき切られている。4人目の職員は入り口でひざまずいているのが見える。
ボルゴグラード州にある刑務所の端で撮影された写真。人質を取ったISISと関係のある人物が写っている/Maxar Technologies and Twitter (X)
別の動画では、人質犯と見られる複数の人物がISISの旗を振っている。
これまでのところ襲撃犯の動機は公式に確認されていない。しかし各地の過激派の活動を監視する米SITEインテリジェンス・グループは動画を検証し、容疑者の一人が今回の襲撃を「復讐(ふくしゅう)」と呼んでいると指摘。6月にモスクワ近郊のコンサート会場を襲った戦闘員のために起こした行動だと示唆しているとした。この襲撃では130人以上が死亡した。
受刑者らは刑務所職員を懲戒委員会の会合時に拘束していた。ロシア連邦刑執行庁が国営メディアのタス通信に明らかにした。
RIAノーボスチ通信によると、人質に取られたのは刑務官8人と受刑者4人。
プーチン大統領は23日、刑執行庁のトップからボルゴグラード州の流刑地での状況について説明を受けたことを明らかにした。
ロシアでは6月にも南部ロストフナドヌーの拘置所で収監者6人が職員2人を人質にして立てこもる事件があった。職員は数時間後に救出された。
収監者らはISISと関係があり、作戦行動により殺害された。