ネタニヤフ氏、停戦合意「間近ではない」 米国の見解を非難
(CNN) イスラエルとイスラム組織ハマスとの間で続いているパレスチナ自治区ガザ地区での停戦と人質解放をめぐる交渉について、イスラエルのネタニヤフ首相は5日、「合意は間近ではない」と述べて米国の見解を非難した。
バイデン米大統領は1日、交渉は合意寸前だと述べ、米政府高官も9割は合意に達していると4日に明らかにしていた。
こうした見方についてネタニヤフ氏は「全く正確ではない」とFOXニュースとのインタビューで反論した。同氏は今週、公の場でたびたび合意の可能性を疑問視する発言をしている。
ネタニヤフ氏は米政府の立場を繰り返し批判し、合意を受け入れる可能性について疑問を投げかけているが、米当局者は直接同氏を批判することは避けている。
だが、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は5日の会見で、おおむね合意しているとの見解を維持し、これまで幾度となく交渉が暗礁に乗り上げ、米政府内で「不満」があることを認めた。
当局者によると、交渉ではハマスが取っている人質とイスラエルが収監しているパレスチナ人受刑者との交換や、イスラエル軍のガザからの撤退といった部分で依然として対立が残っているという。
ネタニヤフ氏に対しては、ハマスとの合意を意図的に阻止したとの批判が高まっている。イスラエルの新聞は入手した文書をもとに、ネタニヤフ氏が7月に土壇場で新たな要求を突き付け、人質および停戦合意の草案を事実上破棄したと報じた。