ハマスの残忍な新戦術、ガザ戦争と人質の苦境は新局面に

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イスラム組織ハマスに拘束されている人質の写真などを掲げる人たち/Eyal Warshavsky/SOPA Images/Sipa USA/AP

イスラム組織ハマスに拘束されている人質の写真などを掲げる人たち/Eyal Warshavsky/SOPA Images/Sipa USA/AP

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルの人質を拘束しているイスラム組織ハマスが「新たな指令」を出し、イスラエル軍が接近すれば人質を殺害すると発表した。ただでさえ残忍な戦争は、戦慄(せんりつ)するような新局面を迎えている。

人質を奪還できないイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対して国民の憤りが噴出する状況の中、ハマスは銃を突きつけられてひざまずく人物の画像を公開し、続いてエデン・イェルシャルミさん(24)の動画を公開した。音楽祭でバーテンダーをしていたイェルシャルミさんは、イスラエル軍が8月末に遺体を収容した6人の人質のうちの1人だった。イスラエルによると、ハマスはイスラエル軍が到達する直前、人質を至近距離から射殺した。

殺害された人質の葬儀は1日と2日に営まれた。ハマスはこのタイミングで、残る5人に対する「最後通告」の映像を公開。3日に公開した2本目の映像には、音楽祭の会場から昨年10月7日に拉致したオリ・ダニーノさん(25)を登場させた。ダニーノさんは音楽祭の会場にいた人たちを助けて現場から脱出させていた。映像が撮影された日時や場所は不明。ハマスの意図も分かっていない。

イェルシャルミさんの遺族が「心理テロ」と形容するハマスの戦術が、イスラエル社会の憤りを一層あおるのは必至だ。イスラエルの大都市は3日続けて大勢の市民で膨れ上がり、ネタニヤフ首相を非難している。

2日にはゼネストで全土がほぼまひ状態に陥り、3日には再びエルサレム、テルアビブ、ホドハシャロン、ハイファ、ヘルズリヤ、ラーナナで大規模な抗議デモが開かれた。テルアビブでは軍の本部前に大勢の人が詰めかけ、道路で火が燃えて警察が消火しようとする様子や、デモ隊が旗を振って人質の解放を要求する姿が撮影されている。警察は暴動の容疑で3人を逮捕したことを明らかにした。

ただ、そうした国民の怒りのデモがネタニヤフ首相を動かして、ガザの戦争に対するイスラエルの姿勢を変えさせるかどうかは分からない。

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