ハマスの残忍な新戦術、ガザ戦争と人質の苦境は新局面に
戦争が始まった当初とは状況が変わり、ハマスはもはや、人質を持ち続けることでイスラエルに対して優位に立てるという認識を持たなくなったとみるアナリストもいる。
「ハマスはイスラエルの現政権が人質解放の取引に興味を持たないことを知っている」。パレスチナ情勢に詳しいベルギーのシンクタンク「国際危機グループ」のアナリスト、タハニ・ムスタファ氏はCNNにそう解説した。「彼らはもはや、人質が大きな切り札になるとは考えていない」
ハマス報道官は2日の声明で、ヌセイラトの「事件」を受けて新たな指令が出たと語った。パレスチナ自治区ガザ地区中部のヌセイラト避難民キャンプでは今年6月、イスラエル軍が人質4人の救出作戦を展開し、パレスチナ人274人を殺害していた。
イスラエル軍はその後、さらに1人の人質をガザ地区のトンネルから救出している。
ハマスは昨年10月7日、イスラエル南部で人質として250人あまりを拉致した。この時は「囚人との人質交換に利用できると考えていた」とムスタファ氏は解説する。11月初旬には人質とパレスチナ人の囚人との交換合意が成立したが、10カ月たった今も、それ以上の合意には至っていない。