レバノンでポケットベルが爆発 9人死亡、2800人負傷
(CNN) 中東レバノンで17日、イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーなどが所持するポケットベルを標的とした攻撃が発生した。治安関係の情報筋が明らかにした。レバノンのアビアド保健相は中東の衛星テレビ局アルジャジーラの取材に対し、この爆発で8歳の少女を含む少なくとも9人が死亡、約2800人が負傷したと述べた。
レバノンの治安部隊によると、爆発は複数の地域、特に首都ベイルート南部近郊のダヒエやベッカー高原、サイダ、スールで発生した。
イラン国営メディアIRNAによると、イランのモジタバ・アマニ駐レバノン大使がベイルートでこの爆発により負傷した。軽傷で、現在は病院で経過観察中だという。
イランのファルス通信はイラン大使館職員2人も負傷したと伝えている。
イスラエルの戦時内閣は16日、イスラム組織ハマスおよびヒズボラとの紛争に新たな軍事目標を追加することを決議していた。この目標とは、レバノンとの国境沿いに住む住民が安全に自宅に帰還できるようにすることだ。
イスラエル首相府は16日、「イスラエルはこの目標の実現に向けて行動を続ける」と述べた。
ヒズボラとイスラエルの国境を越えた交戦が1年近く続いた結果、レバノン南部とイスラエル北部では数万人が避難を余儀なくされている。
ネタニヤフ政権にとってイスラエル北部の住民の帰還は政治的に重要な意味を持つと考えられてきたが、公式の軍事目標として掲げられたのは今回が初めてだ。
首相府によれば、ネタニヤフ氏は16日の投票にあたり、国境沿いの「治安状況の根本的な変化」なしに住民を北部に帰還させることは不可能だと話していたという。
ガラント国防相は住民の帰還を可能にする唯一の方法は「軍事行動」だと明確に述べた。
イスラエル軍は17日の爆発についてまだコメントしていない。