ヒズボラ指導者、イスラエルへの追加攻撃を示唆
(CNN) 中東レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師は25日夜、テレビ演説でイスラエルへの最新の攻撃は完了したが、今後さらなる攻撃を行う可能性があると述べた。
ヒズボラは、イスラエルが7月下旬に司令官のフアド・シュクル氏を暗殺したことへの報復として攻撃を開始した。
ナスララ師は25日まで報復を遅らせたのは、パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉が行われる「十分な機会」を与え、イスラエル国内の「精神的・経済的緊張」を高め、攻撃を確実に成功させるためだったと述べた。
「我々は準備できていた。遅らせたのは、イスラエルと米国の陸海空の警戒レベルが高く、急げば失敗に終わる可能性があったためだ」(ナスララ師)
ヒズボラの計画は、イスラエルの防衛システムを圧倒するために旧ソ連時代のカチューシャロケット300発を発射することだったという。
ナスララ師によると、戦闘員は軍事インフラを標的とし、民間人を避けるよう指示を受けていた。
イスラエルによると、ロケット弾攻撃のさなか、ヒズボラはイスラエル中部の標的にドローン(無人機)も発射したが、イスラエル側は撃墜に成功した。
ナスララ師によれば、ヒズボラがさらなる攻撃を行うかどうかは今回の攻撃の結果を評価した上で決定するという。
ナスララ師はイスラエルがヒズボラの作戦開始より約30分前に攻撃を開始したと述べた。イスラエル軍はこの攻撃を「先制攻撃」とみなし、自国の攻撃に使われる予定だったロケット発射装置を破壊したと述べたが、ナスララ師は「起こったことは先制攻撃ではなく、侵略行為だった」と非難した。
イスラエルのネタニヤフ首相も25日、「これで問題は終わりではない」と述べ、戦闘が終わらない可能性があることを示唆した。
こうした発言の一方で、現時点では両者とも地域紛争の拡大の危機からは後退したようだ。