ウクライナ検察、ロシアによる処刑容疑の捜査を開始 剣が刺さった状態で発見
(CNN) ウクライナ検察はロシアによるウクライナ兵の処刑容疑について捜査を開始した。ウクライナ兵の遺体は「クルスクのために」と刻まれた剣が刺さった状態で発見されている。処刑はウクライナによるロシアへの越境攻撃に対する報復行為とみられる。
ネット上に出回っている写真にはがれきが散乱する道路にあおむけで横たわる男性が写っている。胸には中世風の剣が突き刺さり、血まみれの腕の片方の手首にはダクトテープが巻かれているのが見える。
剣にはキリル文字で「クルスクのために」と書かれており、ウクライナの越境攻撃に言及しているようだ。クルスクは第2次世界大戦以降初めて外国からの侵攻を受けたロシア領となった。
ウクライナのコスチン検事総長は17日、この写真はロシアによる「新たな蛮行」を示していると述べた。検事総長室はその後、処刑容疑について刑事捜査を開始したことを確認した。
予備調査からこの事件はウクライナ東部ドネツク州のノボホロディフカで起きたことが判明したという。CNNも独自にこの場所を確認した。
ウクライナの人権委員はこの処刑について「捕虜の扱いに関するジュネーブ条約違反」だと非難している。
コスチン氏は6月、ロシアが2022年2月に本格的な侵攻を開始して以降、ロシアが行ったとみられる約13万件の戦争犯罪を調査していると述べた。
ウクライナ当局者は先ごろ、CNNに対し、今年になって処刑が頻繁に行われるようになったと語った。ウクライナ東部のポクロウシク近郊で8月下旬の戦闘中に撮影された映像には、ロシア軍が塹壕(ざんごう)を制圧した後、降伏したウクライナ人3人を処刑したとみられる様子が映っている。この映像はCNNが独占入手した。
ロシア大統領府は処刑容疑についてコメントしていない。