ロシアが反攻開始、クルスク州からウクライナ軍排除へ ただし勢い欠く

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ロシア・クルスク州の紋章が描かれた旗が設置された建物=10日、ロシア南西部クルスク州/Oleg Palchyk/Global Images Ukraine/Getty Images

ロシア・クルスク州の紋章が描かれた旗が設置された建物=10日、ロシア南西部クルスク州/Oleg Palchyk/Global Images Ukraine/Getty Images

(CNN) ロシア軍が、ウクライナ軍の越境奇襲攻撃で奪われた南西部クルスク州の領土の奪還を目指し、反転攻勢に乗り出している。ただ、これまでのところ勢いは乏しい。

ウクライナは先月に攻撃を開始して多数の集落を奪取し、ウクライナの支援国をも驚かせた。ただ、当初から観測筋の間では、ウクライナが戦果を維持できる可能性は低いとの声が出ていた。

位置情報が確認された動画では、ロシア軍が複数の村を奪還したこと示されているものの、状況は流動的だ。クルスク州に投入されたロシアの兵力は質量ともに不透明で、信頼できる前線の証言も乏しい。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの反攻が始まったことを認め、ロシアはクルスク州に6万~7万人の兵士を投入する意向だと指摘している。ただ、13日の発言では、ロシア側に「今のところ本格的な戦果は出ていない。我々の英雄的な兵士が持ちこたえている」との見方も示した。

米国の分析によると、ロシアがクルスク州からウクライナ軍を排除するには最大で20個旅団、兵員約5万人が必要となる。しかし、米国防総省のライダー報道官は12日、現時点でロシアの行動は「ごくわずか」だと指摘。アナリストはこれまでのところ、規模ではるかに劣るウクライナ軍を直ちに駆逐するほどの兵力や質は目にしていない。

ロシアの反攻には精鋭部隊も加わっている様子で、位置情報が確認された動画には、精鋭の第51空挺(くうてい)連隊が12日の攻撃に関与する様子が映っている。ただし米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、クルスクにいるロシア軍のうち「戦闘経験のある部隊で構成されている」ものはほとんどないとの分析を示す。

初期情報から判断すると、ロシア軍は大規模な反攻作戦に着手する前に、クルスク州の町コレネボ付近で、ウクライナ軍の寸断を試みる可能性もある。

クルスクでの作戦に参加しているウクライナ軍将校は13日、CNNの取材に、ロシアはウクライナが先月奪取した地域の西端に位置する約2キロの範囲を制圧したと明かした。ロシアの軍事ブロガーも同様の分析を示している。

クルスク州の村でロシア国旗や、民間軍事会社ワグネルの旗が掲揚される様子を捉えた動画も浮上した。ただ、この将校によると、現地の状況は既に安定しており、付近の別の村で激しい戦闘が行われているという。

ウクライナ軍がクルスク州の別の場所、ベセロエ近郊へ向かう新たな攻撃ルートを開拓中である可能性を示す兆候もある。ロシア軍の注意をそらす意図なのかもしれない。

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