洪水で全市民が避難、山火事で幹線道路寸断 欧州を襲う異常気象
リスボン(CNN) 中欧で記録的な豪雨による河川の氾濫(はんらん)や洪水が続く中、ポルトガルでは各地で多発した大規模な山火事の被害も広がっている。
ポルトガルでは15日から17日にかけ、火災のために7人が死亡した。このうち消防士3人は、17日に起きた消防車の炎上で命を落とした。
車で避難する住民=17日、ポルトガル/Octavio Passos/Getty Images
一方、中・東欧を襲った史上最悪といわれる洪水の死者は少なくとも17人に上っている。
ポーランド南西部ニサでは、市内を流れる河川の水位が上昇して洪水被害が拡大する恐れがあるとして、市長が全住民4万4000人に避難命令を出した。
洪水した地域から救出される男性=ルーマニア/Daniel Mihailescu/AFP/Getty Images
消防や住民は17日未明にかけ、夜を徹して堤防に土嚢(どのう)を積み上げる作業を続けた。濁流が押し寄せた病院からは、患者や妊婦が避難した。
大雨は17日には収まる見通しだが、河川の水位が上昇した危険な状態が続いて低い場所では洪水の恐れがあるとして、当局が警戒を呼びかけている。
17日にはイタリア北部と東部にも警戒警報が出された。
隣国チェコと国境を接するポーランドのロンデクズドルイでは、ヘリコプターが出動して自宅に取り残された住民を救助した。
温泉リゾートで有名なチェコのイエセニークでも、何日も降り続いた豪雨で大きな被害が出ている。