「行き場がない」、イスラエル空爆で家を追われる人々 レバノン
(CNN) 中東レバノンで、イスラエル軍による大規模な空爆が行われ、現地を撮影した映像には、人々が家を離れ、おびえた子どもたちを連れて学校に避難する様子が捉えられている。今回のイスラエル軍の空爆による死者は2006年以降で最多となっている。
ファトマ・イブラヒム・シェハブさんもそうした避難民のひとりだ。イスラエルが数日にわたり連続でレバノン南部に対して空爆を実施したため、港湾都市サイダの学校に避難した。AFP通信の取材に対し、イスラエル軍が自宅の隣を空爆して建物が揺れ、避難しなければならなかったと語った。
シリア人のモハメド・ハマイダさんはAFP通信に対し、サイダの学校が避難所として開放されたと聞き、母親や家族を公共交通機関で避難所の学校に連れて行く以外に選択肢がなかったと振り返った。「我々には行き場がない。何も持っていない」
ハッサン・バンジャクさんは、村を離れるのは不本意だったと語った。「敵であるイスラエルとの戦闘や爆撃が始まっても、我々は離れなかった。しかし、空爆が激しくなり、近づいてくると、子どもたちがおびえるようになり、村を出ることを決めた。子どもたちがいなければ、離れることはなかっただろう」
レバノン首都ベイルートの南郊を捉えたロイター通信の映像には、23日にイスラエル軍による空爆が立て続けに行われた後、損傷した建物のがれきやガラスの破片が地面に散らばっている様子が映っている。
ある動画には、窓ガラスが割れた建物の前で、フロントガラスががれきによってつぶされた車両が映っている。ベイルート東部の別の動画には遠くから立ち上る煙が捉えられている。
CNNが確認した目撃者の映像は、ベッカー県のバルコニーから撮影されたとみられ、高層住宅とみられる建物の内部から煙が上がる様子が映っている。