ジョンソン元英首相、故エリザベス女王は「骨肉腫だった」 回想録で言及

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ジョンソン元首相とエリザベス女王=2019年/ Victoria Jones/AFP/Getty Images

ジョンソン元首相とエリザベス女王=2019年/ Victoria Jones/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN) ジョンソン元英首相は、近々出版される回顧録の中で、故エリザベス女王が亡くなる前に骨肉腫を患っていたと主張している。この発言は王室の慣習を破るもので物議を醸している。

英大衆紙デイリー・メールに今週、連載され、今月10日に発売される回顧録で、ジョンソン氏はスコットランドのバルモラル城で過ごした女王の最期の日々を回想している。

ジョンソン氏は2022年9月、エリザベス女王が亡くなるわずか2日前に正式に辞任した。女王がどのように亡くなったのかをめぐっては死後、臆測が飛び交っている。

ジョンソン氏は連載の中で「私は1年以上前から女王が骨肉腫の一種を患っていたことを知っていたし、女王の医師らはいつ急激に衰弱してもおかしくないと心配していた」と記している。

ジョンソン氏の話は、元政府高官が女王の死因の可能性について公に示唆した初の事例だ。女王の死亡証明書には「老衰」と記載されている。

回顧録で自身の人生や在任期間、女王との交流を回想した首相はジョンソン氏が初めてではない。元首相であるトニー・ブレア氏、ゴードン・ブラウン氏、デービッド・キャメロン氏も回想録を発表したが、いずれも大まかな内容にとどまり、ジョンソン氏ほど鮮明に詳述していない。

バッキンガム宮殿は王室に関する書籍の出版についてコメントしない方針のため、ジョンソン氏の主張を肯定も否定もしていない。

19年から22年まで首相を務めたジョンソン氏は、慣例となっている退任のあいさつのためにバルモラル城を訪れたことを回想している。到着すると、女王の秘書に出迎えられ、夏の間に女王の容体が著しく悪化したことを示唆されたという。

ジョンソン氏は、女王の応接室で2人が最後に一緒になったとき、「彼女は青白く、前かがみになっていて、手や手首には点滴や注射によると思われる濃いあざがあった」と振り返る。

「しかし、エドワード(王子)も言っていたように、彼女の精神は病気によって全く損なわれておらず、私たちの会話の中で時折、彼女は突然気分を高揚させるような美しい屈託のない笑顔を浮かべた」(ジョンソン氏)。

女王は自身の医療情報を公にすることはなかった。王室の側近らは、王室のメンバーも他の人たちと同様に医療上のプライバシー権を持つとの考えを維持している。

チャールズ国王とキャサリン妃はこうした傾向に反し、自身の健康状態についてよりオープンになっている。2人は自身のがんの診断と回復状況について詳細を明かしている。

しかし、どちらの場合も闘病しているがんの種類については明かさないことを選んだ。

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