台湾南部に台風上陸、2人死亡 速度の遅さで被害拡大
台湾・台北(CNN) 台風「クラトーン(18号)」が3日正午過ぎ、台湾の南西部に上陸した。中央災害対策センターによると、これまでに2人が死亡、219人が負傷し、1人が行方不明になっている。
港湾都市・高尾では建造物や樹木の倒壊などの被害が広がり、台湾は2日連続で閉鎖状態が続いた。
死亡した2人のうち、66歳の運転手は落石に当たり、70歳の男性は台風の中で木の枝を切っていて転落した。
高雄市内では強風による倒木の被害が出ている/Stringer/AFP/CNA/Getty Images via CNN Newsource
クラトーンは強い勢力を保ったままゆっくりとフィリピンから台湾へと北上した。その後勢力は弱まったものの、台湾は豪雨に見舞われて学校や証券取引所が閉鎖され、空の便は数百便が欠航になった。午後3時現在、約10万戸が停電している。
台湾各地の学校やオフォスは3日も引き続き閉鎖され、緊急時に備えて兵士3万8000人あまりが待機している。
高雄の陳其邁市長は3日、記者団に対し、クラトーンは速度が遅いことから大きな影響が出る恐れがあると指摘。「通過がものすごく遅く、高雄や台南で停止するなら、高雄の被害が長引く可能性がある」と述べ、外出を控えるよう呼びかけた。
SNSに投稿された動画には、バイクや足場が突風になぎ倒されたり、屋根が吹き飛ばされたりする様子が映っている。