ガザ北部は避難命令で「不毛の地」に 国境なき医師団が懸念表明
(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区北部の一部地域に避難命令を出していることに対し、国際NGO「国境なき医師団(MSF)」は「ガザ北部が人の住めない不毛の地になろうとしている」との懸念を表明した。
イスラエル軍は6日以降、ガザ北部でイスラム組織ハマスの態勢立て直しを阻止するために新たな地上作戦を開始したとして、ベイトハヌーン、ジャバリヤ、ベイトラヒアを含む3地域に避難命令を出した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、北部の住民40万人あまりが南方への移動を迫られている。
MSFは、この命令を「新たな強制的集団移動」として非難。対象地域の住民らは、ガザ南部マワシや中部デイルアルバラに設けられた「人道区域」への移動を求められているが、そこではすでに100万人の避難民が非人道的な環境で暮らしていると指摘した。
さらに、人道区域ではイスラエル軍の攻撃が繰り返され、住民や支援者らが引き続き危険にさらされていると強調。強制避難とイスラエル軍の空爆が事実上、ガザ北部全体からすべてのパレスチナ人を追放し尽くしていると述べた。
マワシでは先月、イスラエル軍の空爆で少なくとも19人が死亡、数十人が負傷した。軍はハマス戦闘員を狙った作戦だったと主張した。