ハマス、イランとヒズボラに奇襲攻撃参加を要請か 米紙報道
(CNN) イスラム組織ハマスは昨年10月7日のイスラエルに対する奇襲攻撃に、イランとイスラム教シーア派組織ヒズボラも参加するよう要請していたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが、ハマスの議事録からの引用として伝えた。
ニューヨーク・タイムズによると、イスラエル軍が1月、パレスチナ自治区ガザ地区で押収したコンピューターに、ハマスの秘密会合の議事録が保存されていた。
同紙によれば、ハマスは2021年以降、イスラエルの指導者らを油断させようと大規模なエスカレーションを避けていた。奇襲攻撃は当初、22年秋に計画していたが、イランとヒズボラに参加を呼び掛けるために延期した。
議事録からは、ハマスの主要幹部が昨年7月、レバノンに駐在するイランの司令官と面会し、イスラエル攻撃への協力を要請していたことがうかがえる。イラン司令官はこれに対し、同国とヒズボラは原則としてハマスを支持するが、「環境を整える」ために時間が必要だと答えたという。
イランの国連代表部はこの報道を否定し、議事録がねつ造されたと主張。作戦についてはカタール事務所のハマス当局者さえ事前に知らず、ガザのハマス軍事部門がすべてを計画、決定、指揮したと述べたうえで、「作戦を部分的、あるいは全体的にイランやヒズボラに結び付けようとするいかなる主張も、信用性に欠ける」と強調した。
ヒズボラの報道担当者も12日、CNNとのインタビューで、先月殺害された最高指導者ナスララ師が生前述べていた通り、ヒズボラはハマスの作戦を知らなかったと言明した。
CNNはハマスとイスラエル軍、同国首相府にコメントを求めたが、今のところ返答は得られていない。