イスラエルによるレバノン攻撃、軍事目標から逸脱 金融機関への攻撃も

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イスラエル軍による攻撃を受け、現場には「アルカード・アルハッサン協会」の文書が散乱している=21日、レバノン・ベイルート/Hassan Ammar/AP

イスラエル軍による攻撃を受け、現場には「アルカード・アルハッサン協会」の文書が散乱している=21日、レバノン・ベイルート/Hassan Ammar/AP

(CNN) イスラエルが20日に行ったイスラム教シーア派組織ヒズボラへの資金供給機関「アルカード・アルハッサン協会」の拠点への攻撃は、1カ月以上前に同国がレバノンで攻撃を開始して以降、特に激しい攻撃の一つだった。

攻撃の一部は住宅街区全体を破壊した。これらの空爆のうち10回程度が首都ベイルート南郊を狙い、標的の一つは国内唯一の民間空港からわずか数百メートルの距離にあった。夜空に火の玉が上がる中、飛行機が滑走路に着陸する様子も確認された。

イスラエルは、この攻撃の目的についてヒズボラのインフラを破壊するためのより大規模な取り組みの一環として同組織の金融ネットワークを無力化させることだと述べた。アルカード・アルハッサン協会は、ヒズボラが戦闘員の給与を支払う主な手段だという。一方でこの協会はシーア派の労働者世帯に無利子の融資も行っている。

ヒズボラの多くの組織と同様に、ヒズボラの活動を支えるサービスは、事実上破綻(はたん)した国家においてシーア派の民間人のための社会的セーフティーネットも提供している。レバノンでは公的機関が弱体化すると、宗派派閥が介入する。これは数十年にわたってレバノン政府を徐々にむしばんできた同国の収奪政治による権力分担制度の根幹であり、ヒズボラはこれに長けている。

ヒズボラはシーア派コミュニティーとレバノン全体に深く根付いている。イスラエルはインフラ関連を標的とすることをヒズボラに損害を与えるものとして擁護するかもしれないが、イスラエルの攻撃がヒズボラの軍事組織から外れるほど、レバノンの民間人と国家自体が苦しむことになる。

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