イスラエル攻撃で200人死亡、国連が支援物資配送見合わせ 深刻化するガザの惨状

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イスラエル軍が視察ツアーで公開したガザに支援物資を運ぶためのトラップ=11月28日/Jack Guez/AFP/Getty Images

イスラエル軍が視察ツアーで公開したガザに支援物資を運ぶためのトラップ=11月28日/Jack Guez/AFP/Getty Images

(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区北部で行った11月30日の空爆で、少なくとも200人が死亡した。現地の保健当局が明らかにした。一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエルとガザ地区を隔てるケレムシャローム検問所付近でトラックの盗難が相次いだ事態を受け、同検問所経由の支援物資配送を見合わせると表明した。

こうした展開は、ガザの人道状況の一層の深刻化を物語る。ガザではイスラエル軍によって数万人が死亡し、残る市民も慢性的な飢えに脅かされている。29日にはガザ中部でパン店から食料を買い求めようとした子ども2人と女性1人が圧死した。

現地のカマル・アドワン病院長のフッサム・アブ・サフィヤ医師は29日、CNNの取材に対し、ガザ北部のベイトラヒヤ地区とタルアルザタール地区で200人以上が入居していた建物5棟が攻撃されたと語った。

「彼らは助けを求めていて、手を貸そうとした人は誰であれ爆撃された。不幸なことに、助けを求める声は消えた。彼らは殺された」とアブ・サフィヤ医師は話す。タルアルザタール地区では100人以上ががれきの下敷きになり、救出されたのは1人だけだった。

「こうした光景が日常になっている。誰も責任を問われない。罪のない人々の殺害を誰も止められない」とアブ・サフィヤ医師は訴える。

ガザ保健省によると、昨年戦争が始まって以来の死者は少なくとも4万4429人、負傷者は10万5000人を超えた。ただしガザ北部はほとんど近づくことができない状態にあり、病院に到達できない死傷者数は把握不可能なことから、実際の死傷者はこれよりはるかに多いと思われる。

国連の支援物資配送見合わせ

食料などの支援物資を積んだトラックは略奪や盗難が相次いでいる。UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は1日、支援物資の配送見合わせは「困難な決断」だったと述べ、ガザでは「飢えが急激に深刻化している」と指摘した。

ラザリーニ氏は、食料トラック数台が1日にこのルート上で盗まれたとX(旧ツイッター)に投稿した。支援物資の配送にかかわる関係者によれば、11月30日には同検問所付近で小麦粉を積んだトラック5台が盗まれた。

「この検問所前の道路はずっと前から安全ではなかった」とラザリーニ氏は言う。11月16日には約100台の支援トラックが武装集団に略奪された。

ラザリーニ氏は、イスラエル当局による妨害や、支援物資の量を制限する政治的決断が複雑に絡んでガザの法と秩序を崩壊させ、ガザの人道支援活動は不可能になったと指摘する。ガザを占領するイスラエルには、支援に当たる職員や支援物資を守る責任があると同氏は訴え、「イスラエルはガザへの安全な支援物資の搬入を保証し、人道支援職員に対する攻撃は自制しなければならない」と強調した。

一方、ガザへの物資搬入を管理するイスラエル機関の占領地政府活動調整官組織(COGAT)は、ほかにも「数十の」人道支援団体が支援物資の供給を続けていると説明する。

「先週は人道支援物資を積んだトラック1000台あまりがさまざまな検問所から集まり、ガザ地区全域に配送された」。COGATはCNNに寄せた声明でそう述べ、「引き続き国際機関と協力して、イスラエルとガザを結ぶケレムシャローム検問所ほか四つの検問所経由でガザに入る支援物資の量を増やす」としている。

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