ハマスが人質男性の映像公開 「ネタニヤフ氏から連絡」と母親
(CNN) イスラム組織ハマスは30日、パレスチナ自治区ガザ地区で人質になっているイスラエル系米国人男性の映像を公開した。男性の母親は、公開の数時間後にイスラエルのネタニヤフ首相から連絡があり、人質解放の「機は熟した」と励まされたことを明かした。
男性はエダン・アレクサンダーさん。昨年10月7日、ハマスがイスラエルに仕掛けた奇襲攻撃で連れ去られた。
エダンさんは映像の中で、イスラエルのネタニヤフ首相と米国のトランプ次期大統領に対し、自分を忘れないでほしい、ガザに残る人質の解放に全力を尽くしてほしいと訴えている。ハマスはこれまでも人質の映像を公開してきたが、エダンさんが登場したのは初めて。家族が映像の公開に同意した。
エダンさんは発言を強要されている様子がうかがえる。撮影日は確認できないが、エダンさんはすでに420日以上拘束されていると話した。30日は、昨年10月7日から数えて421日目に当たる。
エダンさんはまた、トランプ氏が大統領に選ばれたことを指摘し、同氏に米国の影響力を行使するよう要請。「バイデン氏と同じ間違いを繰り返さないで」と、現政権を批判した。
ハマスが公開したエダン・アレクサンダーさん動画の一コマ/Hamas
8月に死亡した人質の米国人男性、ハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンさんの名前を挙げ、「同じように死にたくはない」とも話している。
映像の最後には両親や祖父母に向けて「早く会えることを毎日祈っている」「悪夢が終わるのも時間の問題だ」と呼び掛けた。
母のヤエルさんは30日夜、イスラエルのテルアビブにある通称「人質広場」での集会で、息子の映像に衝撃を受けたと語った。ネタニヤフ氏は電話で、レバノン停戦が成立した今、人質解放の条件は整ったとの認識を示したという。