あと数日しか生きられない ガザの2歳女児、緊急医療避難がようやく実現
ヨルダン政府はハビバちゃんを出国させるため、水面下でイスラエルとの交渉を続けていた。
ハビバちゃんに長時間の旅をさせずに済むよう、ヨルダンは軍用機の使用を要請した。しかしヨルダン高官によれば、イスラエルはこの要請を拒み、陸路での移動しか認めなかった。
ヨルダン当局者によれば、イスラエルは2日、ハビバちゃんに付き添う兄ソヘイブさんの移動をいったん許可したものの、直前になってこの許可を取り消した。一家のガザ脱出がようやく認められたのは、3日未明だった。
イスラエルの援助団体GOGATは3日、ハビバちゃんがヨルダンで治療を受けるため、母と10歳の兄に付き添われて出発することをイスラエルが許可したと発表した。
ハビバちゃんの一家は3日、ガザ保健省の救急車でイスラエルとガザを隔てるケレムシャローム検問所に搬送され、ヨルダンの医療チームに引き渡された。
イスラエルを抜けてヨルダンに入った一家はヘリコプターで首都アンマンへ搬送され、無事病院に到着した。
GOGATは過去のCNNの取材に対し、ガザの患者をイスラエル経由で他国へ搬送する医療避難は、ガザ住民からの申請1075件に対し、この数カ月で24件を許可したと述べていた。世界保健機関(WHO)によると、ガザでは今も1万2000人から1万4000人が医療避難を必要としている。
国連によると、ガザではハビバちゃんのような子ども2500人あまりが緊急医療避難を必要としている。しかし命を救う治療のための脱出が実現するという保証はない。