中国の巨大「レーザー核融合」施設、衛星画像で明らかに 目的はクリーンエネルギーか核兵器強化か

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米国立点火施設(NIF)の内部=米カリフォルニア州リバモア/Damien Jemison/Lawrence Livermore National Laboratory/Reuters

米国立点火施設(NIF)の内部=米カリフォルニア州リバモア/Damien Jemison/Lawrence Livermore National Laboratory/Reuters

業界監視団体フュージョン・エナジー・インサイツのメラニー・ウィンドリッジ最高経営責任者(CEO)は「これは、彼らが核融合に真剣に取り組んでいることを示している」と述べ、「彼らは決断力があり、迅速に行動し、物事を成し遂げている」と指摘した。

エベレス氏は、綿陽の研究センターの規模はNIFより50%ほど大型と推定しており、完成すれば、世界最大の施設になる可能性が高いとの見方を示す。

その規模には利点があるかもしれない。アペルベ氏は、レーザーが大きければ圧力が高まり、より多くの燃料を圧縮できるため、核融合実験で得られるエネルギーが増加する可能性があると語る。ただし、非常に大きなレーザーでも、核融合実験を成功させることは「極めて困難」だという。

専門家らによると、この施設は中国に核兵器の研究能力も与える。

中国と米国はともに、核爆発を禁止する包括的核実験禁止条約の締約国だ。

エベレス氏は、この施設を肯定的に解釈することで、中国が核実験を計画していないという安心感につながるとする一方で、この施設によって中国が小型核兵器を含むより高度な設計を開発できるようになる可能性もあると警鐘を鳴らした。

専門家の中には、綿陽の施設が核融合と核分裂を掛け合わせた、異なる種類の核施設になる可能性があると考える者もいる。

非営利団体の核融合産業協会のアンドリュー・ホランドCEOは「それが真実だと判明すれば、特に憂慮すべきことだ」と語った。なぜなら、それは中国が独自に開発した技術であり、「西側諸国の同種のものよりも強力である可能性が高い」からだ。

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