中国、月の裏側へ飛行ロボット送る計画 水の探索に従事
香港(CNN) 中国は来年、飛行ロボットを月の裏側へ送り込み、凍結した水を探す計画だ。国として野心的な宇宙開発プログラムを推進する中、この計画は将来の月探索の鍵を握る可能性がある。
ロボットタイプの「空飛ぶ探知機」は中国の「嫦娥(じょうが)7号」ミッションの一環として月の南極に送り込まれる予定。目的は向こう5年以内に宇宙飛行士を月面に着陸させるとの計画を実現へと近づけることにある。国営メディアが3日に報じた。
月面での水の発見自体に目新しさはない。昨年、中国の科学者らは月面探査機「嫦娥5号」から採取した土壌サンプルの中に水の分子を発見。米航空宇宙局(NASA)やインドの探査機もこれより以前、月面上に水と考えられるものを見つけていた。
しかし一部の科学者らの認識では、宇宙飛行士向けの水源として将来の月探査を支えることができるのは氷だけだとされる。それらの氷は月の裏側にあるクレーターの深部に蓄えられていると考えられる。
月の氷を見つけることは、中国にとって月の南極に調査拠点を建設する準備の一環でもある。同国の宇宙の専門家が、中国国営中央テレビ(CCTV)にそう述べた。
ただ別の専門家らは以前、CNNの取材に答え、月の水の発見が将来の探索への扉を開くとは認めつつも、その水を穀物の栽培や飲料水に利用することはまだできないと指摘した。それが可能になるかどうかは水の量や化学形態といった多くの要因に左右されるからだという。