座礁したクジラ90頭を安楽死処分、救出作業に失敗 豪
(CNN) オーストラリア・タスマニア州の海岸に150頭以上のクジラが打ち上げられていた事案で、当局は生きていたクジラ90頭について、安楽死処分を行った。海上の状況が悪くてクジラを海に戻すことができず、厳しい決定となった。
同州の天然資源環境省によれば、島の西側に位置するアーサーリバー市の近くで17日、150頭を超えるクジラが打ち上げられているのが発見された。
19日午前までに、生き残ったクジラは90頭となり、救助隊が2頭を海に戻そうとしたものの、風や荒波によってすぐに海岸に戻ってきてしまった。
公園野生生物局の担当者によれば、天候が荒れていて、クジラは海に戻ることができず、海岸に戻ってきてしまったという。
上空からの映像には、打ち上げられたクジラが海岸に沿って並んでいる様子が捉えられている。半分砂に埋もれているものや、浅瀬や岩場に閉じ込められているものもいた。
これほど多くのオキゴンドウがタスマニア州に打ち上げられたのは約50年前の1974年以来。当時は島の北の海岸に160頭から170頭の群れが打ち上げられているのが見つかった。何頭が生き残ったのかは不明。
当局はクジラの苦しみを最小限にするために安楽死させることを決めたと説明した。何時間も海岸に打ち上げられて、方向感覚を失い、苦しんでいたという。
最近の救出作業では、座礁したクジラを人里離れた場所に移動させるために重機を使い、海に逃がす前に水中で安定させることができる。
だが、公園野生生物局によれば、今回は遠隔地のアクセスの悪い場所に重機を搬送することができなかったという。