武器としての幼児への性的暴行、内戦下のスーダンで横行 ユニセフ
(CNN) 内戦の続くスーダンで、武装勢力による幼い子どもたちを狙った組織的な性的暴行が行われている。レイプに遭い、生き延びた最年少の被害者は生後1歳の幼児だという。国連児童基金(ユニセフ)が最新の報告で明らかにした。
先ごろ公開されたユニセフの報告によれば、昨年初め以降記録された児童レイプの件数は少なくとも221件に上る。これ以外の子どもへの性暴力は77件報告されている。
被害者のうち16人は5歳未満で、1歳児も4人いた。被害者の性別は66%が女児、33%が男児だった。
スーダンにおける性暴力をまとめたこれらのデータは、児童レイプの全件数の「ごく一部分」しか表していないとユニセフは指摘する。被害に遭った子どもたちやその家族は恥の意識や武装勢力からの報復への恐れから犯罪について通報しないことも多いという。
報告から、子どもたちが性的暴行の被害に遭うのは、都市への侵攻が発生し、危険から逃れたり意に反して拘束される場合であることが分かった。食料や他の必需品と引き換えに被害を受けることもあるという。

レイプ被害についての心の治療を受けた後、母親の手を握る11歳の男児/Tess Ingram/UNICEF
スーダンでは2年近く前に国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)が武力衝突。紛争や人道危機の情報収集・分析プロジェクト「ACLED」によれば、2023年4月以降、2万8700人が死亡し、1100万人以上が住む家を追われた。
避難民が身を寄せる避難所でも、現場作業員が暴力の実態を目にする機会が増えているとユニセフは報告。これらの避難民が性的暴行に遭うリスクは高く、特に子どもに関しては顕著だという。
CNNはスーダンの国軍とRSFにコメントを求めた。
英政府によると国軍はスーダンの東部と北部を支配下に置く。一方のRSFは西部と南部、さらにダルフール地方を含む中部を抑えているという。
ユニセフによれば、暴力はスーダンの一地域に限らず発生しており、児童レイプは全土の九つの州で報告されている。