クルスク州でロシア軍が前進、ウクライナの交渉カードは危機的状況に
兵たんの状況は「危機的」
ロシアの軍事ブロガーはSNSテレグラムに、ロシア軍が複数の方向からスジャを攻撃し、同地域でのウクライナ兵の動きをすべてドローンで捉えていると書き込んだ。現状を踏まえ、ウクライナ軍がクルスク州から撤退する「情報」があるとも述べている。
一方、ウクライナの軍事ブロガーは「兵たんの状況はすでに危機的だ」と指摘する。さらに春を迎え気温が上昇すれば、路面がぬかるみ、通行が困難になることも大きな障害になる。
ウクライナが恐れているのは、ロシア軍の前進によってクルスク州のウクライナ部隊への補給路が途絶することだ。米シンクタンク戦争研究所(ISW)は先月の報告書で、同州に駐留するウクライナ兵は最大3万人に及ぶと推定している。
ロシアのプーチン大統領はウクライナの奇襲以降、同州を完全に奪還すると繰り返し宣言している。
ウクライナ側はクルスク州で掌握した領域のおよそ半分を失った。
こうしたロシアの前進を受け、一部のウクライナ人ブロガーは、クルスク州への侵攻がすでに戦略的意義を失いつつあるとの見方を示している。
あるブロガーは「クルスク方面から『店じまい』する時期なのかもしれない」と語り、「敵の戦力をそらす作戦としては理にかなっていたが、政治的な交渉カードとしての価値は今や疑わしい」と付け加えた。