ドゥテルテ氏がオンラインで出廷、ICC初審理 フィリピンの「麻薬戦争」めぐり
(CNN) フィリピンのドゥテルテ前大統領(79)は14日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)で、初審理にオンラインで参加した。ドゥテルテ氏はフィリピンでの「麻薬戦争」に関連した殺害に関与したとして罪に問われている。
ICCによれば、ドゥテルテ氏は現地時間午後2時半ごろにオンラインで参加し、容疑や自身の権利について説明を受けた。
ドゥテルテ氏は11日にフィリピン首都マニラで拘束され、12日にオランダに到着した。途中、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイでの乗り継ぎの際に医療処置を受けていた。
ICCによれば、裁判官はドゥテルテ氏の長距離移動を考慮してオンラインでの参加を認めた。
ドゥテルテ氏の弁護士は今回の「超法規的な引き渡し」について、「純粋で単純な拉致」だと指摘した。弁護士は、ドゥテルテ氏が難聴や視力の低下といった健康上の問題を抱えており、審理に臨めないとも主張した。ICC側は裁判所の医師が精神的にも肉体的にも問題はないと判断したと述べた。
ICCによれば、ドゥテルテ氏はフィリピン南部ダバオの市長や大統領を務めていた2011年から19年にかけて人道に対する罪に該当する殺人の容疑がかけられている。ドゥテルテ氏は私設の「暗殺部隊」を率いていたとされる。
ドゥテルテ氏は16年から22年にかけてフィリピン大統領の職にあった。警察によれば、この時期の麻薬戦争で6000人あまりが犠牲になった。一部の人権団体によれば、ドゥテルテ氏の暗殺部隊の銃撃戦に巻き込まれた無実の人や見物人を含めれば犠牲者は最大で3万人に達する可能性もある。