独議会で債務制限緩和の憲法改正案可決、国防費拡大へ 次期首相が主導

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ドイツ連邦議会で演説する「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ党首=18日、独ベルリン/Tobias Schwarz/AFP/Getty Images

ドイツ連邦議会で演説する「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ党首=18日、独ベルリン/Tobias Schwarz/AFP/Getty Images

ベルリン(CNN) ドイツ連邦議会(下院)で18日、政府債務の制限を緩和する憲法改正案が可決され、国防費の大幅な拡大が可能になった。制限緩和の動きは、次期首相への就任を確実にしている中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ党首が主導してきた。

ドイツの憲法では「債務ブレーキ」と呼ばれるルールが定められ、厳しい財政規律が他国の模範とされてきた。しかしメルツ氏は、低迷する独経済に新風を吹き込み、国防や老朽化するインフラへの支出を強化するためとして、政策の大転換を主張した。

議会では環境政党「緑の党」がこれに反対し、メルツ氏らに譲歩を求めていた。18日の採決では513対207で、賛成票が憲法改正に必要な3分の2のラインを超えた。

これにより、国内総生産(GDP)比1%を超える国防支出や一部の安全保障関連支出は債務ブレーキの対象から除外される。さらに、5000億ユーロ(約81兆6000億円)のインフラ基金が新設されることも決まった。

採決の背景には、米国でトランプ政権が発足した影響もあるとみられる。メルツ氏は先月の総選挙でCDU・CSUが勝利を確実にした時点で、「米国からの独立を一歩ずつ達成するために、欧州を強化することが優先課題だ」「米国の現政権は欧州の行方にほぼ無関心だ」と述べていた。

18日には採決に先立つ審議の中で、ドイツの国防政策に「パラダイム転換」が起きたと指摘した。

改正案は今後、上院で採決にかけられる。メルツ氏は上院でも3分の2の賛成票を確保できると見込んでいる。

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