ガザでのパレスチナ人救急要員死亡は「職務上の過失」、イスラエル軍報告
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区で3月に救急要員ら15人が死亡したことをめぐり、イスラエル軍は20日、調査報告書で「職務上の過失」によるものだと述べた。
死亡した要員らの大半はパレスチナ赤新月社(PRCS)の隊員だった。射殺された後、集団墓地に埋葬されたことで国際的な非難が巻き起こっている。
イスラエル国防軍(IDF)は、事案が発生した当時、複数の過失や命令違反、事案の詳細報告の漏れがあったことが調査によって明らかになったと述べた。軍は依然として車列への攻撃を実行した兵士たちの意思決定を支持しており、事案は「一連のミスによるもので、倫理上のずれはない」と述べた。
IDFは部隊が「作戦上の誤解」があったとされる状況下で「明確な脅威」と考えた対象に発砲したが、「無差別射撃」を行ったわけではないと説明した。

動画の一部を切り取った画像。動画は3月23日に死亡したパレスチナ赤新月社(PRCS)の隊員の1人が撮影した/Palestinian Red Crescent Society/AP
調査の結果、第14旅団の指揮官は懲戒処分を受け、事案に関与したゴラニ偵察大隊の副指揮官は解任された。副指揮官は部隊に発砲を命じ、自ら車列に発砲した。
IDFは、無関係の民間人に被害を与えたことを遺憾に思うと述べ、既存の規定を明確化・強化し、たとえ激戦地域であっても、救助要員らの近くで活動する際には、より一層の注意を払う必要があると強調した。
一方で、今回の調査を監督した将官は、IDFの戦闘方針や交戦規則にいかなる変更も勧告しないと述べている。将官はCNNに対し、部隊に発砲を命じた指揮官は同軍の交戦規則に従い「合理的に行動」したと考えていると話し、「命令は適切だ。救急車がテロリストであることが明確に確認されない場合、または救急車から出てきた人物に脅威を感じると認識しない場合に我々が救急車に発砲することはない」と語った。