起立拒否の先陣切ったNFL選手、ナイキが広告に起用
ニューヨーク(CNNMoney) 米プロフットボールリーグ(NFL)のシーズン開幕を4日後に控え、スポーツ用品大手のナイキがサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(49ers)のクオーターバックだったコリン・キャパニック選手を広告に起用した。同選手は2016年、アフリカ系米国人などに対する警察の人種差別に抗議して、国歌斉唱の際に片ひざをつく運動を始めたことで知られる。
ナイキは「Just Do It」のキャッチフレーズを掲げた30周年記念キャンペーンにキャパニック選手を起用する。同キャンペーンにはほかにも、テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手や、幼少時に片手を切断したNFLのシャキーム・グリフィン選手などが登場する。
キャパニック選手は3日、ツイッターの公式アカウントにキャンペーン写真を掲載した。写真には「信念を持て。たとえ全てを犠牲にしても」の文字があしらってある。
2011年から同選手をスポンサーしてきたナイキは、同選手の抗議運動が顧客に支持されると信じて大きな賭けに出た。ナイキのブランドが、ホワイトハウスを含む保守派からの批判に耐えられることにも賭ける姿勢だ。
NFLでは大勢の選手たちがキャパニック選手に続いて片ひざをつく運動を展開。同選手は象徴的存在となっていた。
キャパニック選手本人は2016年のシーズン以来、NFLの試合に出場していない。17年には、NFLが抗議運動を理由に自分を締め出しているとして苦情を申し立てた。この苦情の却下を求めたNFLの請求を退ける判断が先週言い渡され、同選手が訴えを裁判に持ち込むことが可能になった。
ナイキはキャパニック選手支持を表明したことで、トランプ大統領の怒りを買う恐れもある。
Believe in something, even if it means sacrificing everything. #JustDoIt pic.twitter.com/SRWkMIDdaO
— Colin Kaepernick (@Kaepernick7) 2018年9月3日